ドラマ「半沢直樹」は視聴率も好調なようですね。
私もリアルタイムではないものの、録画で1~4話を見て楽しませていただきました。
銀行ドラマだけあって、「実力よりも人間関係」というのが色濃く表現されており、ドラマとしては面白いものの、実社会においては「上司に媚を売って出世するような世界なんておかしい。もっと個々人の実力によって評価されるべきだ。」などと、私も若いころは思っておりました。
もちろん今でもそれは間違いではないと思うのですが、さりとて、最近では「大きな仕事をするにはいろんな人たちを動かさなければならない。(媚を売る一辺倒で上手くいくかはともかく)いかにいろんな人に動いてもらうかを考えることは仕事をする上で大切だなぁ。」などと思ったりもします。これが大人になるということなのでしょうか。。。
さて、以下本題ですが、ネタバレ含むのでご注意を。
証券会社だけでなく銀行をも騙そうとした電脳雑技集団社は粉飾決算をしていたというオチでしたが、その証拠として突き付けられていたものが「裏帳簿」というもの。
要は、粉飾前の「会社の正しい姿を現した帳簿」です。
もちろんドラマなので、証拠品として提示できるものが必要という側面はあるにせよ、このドラマに限らず「裏帳簿」という言葉は一般に知られているわけです。
(たとえば、Googleで「裏帳簿」と検索すると、約1,540,000件の検索結果が出てきます。)
つまり、(もちろん悪いことなのですが)ある程度世の中一般に知られている経営管理方法なのです。
これはどういうことかというと、世の中では、帳簿をベースに税金計算・納税が行われたり、銀行がお金を貸す、投資家が出資をするというときに経営実態を把握するために帳簿を見たりするのですが、それだけ帳簿には有用な情報が含まれていると考えられているのです。
これを逆手に取って、帳簿そのものを改竄して銀行や投資家を騙したりするのが粉飾決算ですが、その際に、改竄する前の帳簿を「裏帳簿」としてこっそり隠しておくわけです。
「裏帳簿」なんて作らなければ粉飾だってバレなかったかもしれないのに、なんて考える人もいるかもしれません。それでも経営者は「裏帳簿」を作るのです。
これはなぜかというと、国税や銀行、投資家が考えているのと同じように「帳簿は会社の経営状況を把握するために有用な情報である」と経営者自身も考えているからです。
しかも、その帳簿は「正確に作成された帳簿」であることが必要なので、正確に記帳された「裏帳簿」を別に作るのです。
それだけ、正確な帳簿を作るということは経営の根幹であり重要事項である、ということが、ドラマ「半沢直樹」第4話で語られているのです。(というのは言い過ぎか?)
私は、このような重要事項は税理士、公認会計士に外注(いわゆる記帳代行)するのではなく、自社できちんと内製化すべきだと考えています。そのうえで、帳簿の正確性を検証し、作成された帳簿を分析して自社の経営状況を把握するために、税理士や公認会計士とは月次で決算に関する相談等をするべきでしょう。お任せにしていると経営状況を把握・管理することはできません。
当事務所でも、決算早期化や決算に関する業務プロセス・内部統制の構築に関するアドバイスを行っておりますので、自社の経理・決算業務を改善したい方は当事務所にご相談ください。
なお、「いまどき紙に手書きって!」とも思いましたが、電子ファイルのほうが情報漏洩やハッキング等のリスクがあり、結局は電子データを介さない「紙に手書き」というフォーマットが最も安全だと、IT企業である電脳雑技集団のトップは考えたのかもしれないと思いいたり、セキュリティの難しさ、奥深さも考えさせられました。
(考えすぎかもしれませんが。。。)
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